現金の落とし物計33億円 都内、持ち主に24億円戻る
東京都で2014年に落とし物として届けられた現金が5年続けて増え、約33億4千万円に上ったことが、16日までの警視庁のまとめで分かった。バブル景気に沸き、ピークを記録した1990年とその前後に迫る水準。持ち主に戻った現金は約24億7千万円で、都が20年東京五輪招致でアピールした「治安の良さ」の一端を裏付けた。
警視庁遺失物センターによると、落とし物が手元に戻った訪日外国人が「ミラクルだ」と感謝する事例も多いという。
(日本経済新聞 2015/02/16)
ミラクルな体験をした外国人を筆者は知っています。来日20年以上、日本語も達者なアメリカ人の陶芸家、D氏。マネークリップに留めた一万円札2枚を歩いていて落としたのです。道をくまなく探しましたが見つからず、誰かが拾って使ってしまったんだよと嘆いていました。
見かねた私は近くの警察署に行くよう助言。裸のお金を届ける人はいないよと言いながらもD氏が行ってみると、落とした現金が手つかずのまま届いていたそうです。しかも拾得者の権利を放棄して。
ありえないと言いながらも大喜びのD氏。日本語はマスターしても「拾ったお金は交番へ」という日本人にとって当たり前の習慣には思いが至らなかったようです。
特徴といえばマネークリップしかない現金を、ちょっとミステリアスな陶芸家に返してあげた警察の方々も、負けず劣らずミラクルだと私は思いましたけどね。
文末のリンクから警視庁のサイトを見ると、遺失物の扱いが変わったことがわかります。2007年から遺失物法が変わり、
「落とし物、忘れ物を探せる期間が、6か月→3か月」
に変更されています。
つまり落とし物を探せる期間は半分に短縮され、3ヶ月後には落とし主の所有権は喪失してしまいます。拾い主が落とし物を引き取れる期間はさらに短く、2ヶ月間ですからこちらもご注意を。
一方で落とし主に便利な機能も増えています。警視庁のサイトでは「落とし物検索(警視庁拾得物公表システム)」で遺失物を探せるようになっています。一見、地味なサイトですが内容は画期的です。いままで膨大な数の落とし物から自分のものを見つけ出すことはほぼ不可能でしたから。
カバン、現金などの種類、落とした場所や時期を入れると、該当する遺失物のリストとともに大まかな情報がテキスト表示されます。警視庁の落とし物検索は東京都内に限定ですが、いずれの県でも同じシステムが導入されているようです。
万が一、出張先で落とし物をした場合、探し回る時間もないため、後日ネットでも探せる手段が残されているのは大変ありがたいことです。だれでも検索できますから、今後のためにも一度アクセスされることをお勧めします。
出張先、旅行先など自分の住む地域以外で落とした場合、警察庁のリンクから該当する警視庁、各県警に飛んだほうが便利です。
■出典:警察庁ホームページ
リンク先:https://www.npa.go.jp/consultation/chiiki2/ishitsubutsulink.htm
(警察庁トップページ>各種相談等がある方に>都道府県警察における遺失物の公表ページ)
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